科学史 (8) 近代:原子分子論・熱力学・電磁気学:ドルトン、マクスウェル

電池が発明され、電気を能動的に操れるようになってからは科学者たちは電気に魅せられていく。
電気分解の手法で様々な元素が単離されていった。
ようやく精錬されたアルミニウムは世界一高価な金属となった。
化学反応に対する見識が蓄積され、世の中の物質は細かい粒である原子からなるという説が支持される。
しかし直接的な観測手段がなかったため懐疑的に思う者も少なくなかった。
ニュートンが創始した分光学によって、
太陽の組成なんて未来永劫わかるわけがないと主張した人が30年も経たずに敗北することとなる。
やがて電気と磁気に関連があることが見出され、電磁気学が発展し、マクスウェルによってひとまずの完結を得た。
ニュートンの重力理論では重力を無限遠でも伝達する不思議な遠隔作用として扱ったのに対して、
電磁気学では空間そのものに大きさと向きを持ったベクトルが存在するという場の考え方が生まれた。
蒸気機関を科学的に扱うために、熱や気体という扱いにくい対象を考察する熱力学が興された。
生物学は進化論が発表され、ようやく細胞や微生物の観察が始まった頃で、まだ芽生えの時期である。

化学

アレッサンドロ・ボルタ ボルタ電池 1800

希硫酸に銅板と亜鉛板を浸して導線で繋ぐと電気が流れる。
ボルタ電池を用いて水の電気分解が行われた。
\( {\rm Zn} \longrightarrow {\rm Zn}^{2+} + 2{\rm e}^{-} \)
\( {\rm 2H}^{+} + 2{\rm e}^{-} \longrightarrow {\rm H}_2 \)
後世の人から見ると、このとき電流の流れる向きを逆に定義していれば電子の流れる向きと一致したのにと思うところ。
当時は硫酸は硫黄の燃焼と硝石から作った硝酸による酸化で製造していたので、そこまでコストは高くないが、
いかんせん硫酸と亜鉛が常時反応して消費が激しい割には性能が低くて当時の電気実験はコストが高いものとなった。

ジョン・ドルトン

ドルトンの分圧の法則 1801

混合気体の圧力は各成分の分圧の和に等しい。

倍数比例の法則 1802

同じ成分元素A、Bからなる異なる化合物を作るとき、A、Bの質量は簡単な整数比をなす。

原子論

ジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサック 気体反応の法則 1805

化学反応で消費・生成される気体の体積には簡単な整数比が成り立つ。

ラプラス 毛細管現象 1805

細い管状物体の内側の液体が管の中を上昇する現象。
細いほど高く吸い上げられる。

ハンフリー・デービー

ボルタ電池を用いた電気分解により、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ホウ素、バリウムを発見。
短期間に大量の元素発見は後にも先にもデービーのみ。

アメデオ・アヴォガドロ アボガドロの法則 1811

同一圧力、同一温度、同一体積中の気体には、ある一定数の粒子が含まれる。
ドルトンの原子説では気体の法則を説明できなかったが、
原子がいくつか結合した分子の形状をとるとすれば説明できる。
だが、原子の存在も不確かだったため、分子説が受け入れられるには長い時間を要した。
→この功績から後にある条件の原子の数をアボガドロ数と呼び、アボガドロ数個の粒子を含む物質量を1molとする
→さらにアボガドロ数が測定値ではなく厳密に定数で定義されることになる

プラウト 元素の比重は水素の整数倍 1815

いろいろな元素の比重が水素の整数倍になっていると主張。

マイケル・ファラデー

ベンゼンの発見 1825

ツァイゼ 1827

白金を王水(塩酸と硝酸の3:1混合物)に溶かした黄色溶液にカリウム塩を加えると沈澱を生じるが,
これをエタノ一ルで処理したら黄色針状結晶が得られた.
KPtCl3C2H4
金属と有機物が化合するなんて夢でも見たんだろうと、当時は相手にされなかった。

フリードリヒ・ヴェーラー 尿素の合成 1828

尿素

初めて無機物から有機物を合成した。

デーべライナー 諸元素が周期的に性質を繰り返すことを見出す 1829

周期表に等間隔の原子量で性質のよく似た元素の3つ組があることを発見する(Cl,Br, I)(Ca, Sr, Ba)など

ジョン・フレデリック・ダニエル ダニエル電池 1836

陽極に銅板、硫酸銅と陰極の亜鉛板、硫酸亜鉛を素焼き板で仕切る

ダニエル電池

ボルタ電池と比較すると安定して電流を取り出すことができた→電気を使った実験のコストが下がった。

ジェルマン・アンリ・ヘス ヘスの法則(総熱量不変の法則) 1840

反応熱は、反応の経路によらず、反応の始めの状態と終わりの状態で決まる
\( {\rm C(黒鉛)} + {\rm O_2} \longrightarrow {\rm CO_2} + {\rm 394kJ} \)
\( {\rm C(黒鉛)} + {\rm \frac{1}{2}O_2} \longrightarrow {\rm CO} + {\rm 111kJ} \)
\( {\rm CO} + {\rm \frac{1}{2}O_2} \longrightarrow {\rm CO_2} + {\rm 283kJ} \)

エルネスト・ソルベイ アンモニアソーダ法 1861

工業的に炭酸ナトリウムを大量に生産する方法。
食塩水にアンモニアを飽和させ、二酸化炭素を通ずると炭酸水素ナトリウムが沈殿する。
これを回収して熱分解することで炭酸ナトリウムが得られる。

アンモニアソーダ法

生成物の塩化アンモニウムから消石灰を使うことで
アンモニアは回収できるため反応に無駄がない。

ケクレ ベンゼンの構造を思いつく 1865

蛇が自分の尻尾に噛み付いた夢を見たことから構造を思いついたという。

熱力学

ニコラ・レオナール・サディ・カルノー カルノーサイクル 1824

カルノーサイクル

等温変化(A→B、C→D)と断熱変化(B→C、D→A)のみで作られたサイクル。
カルノーサイクルの効率は
\( \displaystyle \eta = 1 – \frac{T_1}{T_2} \)
あらゆる熱機関はカルノーサイクルの効率を超えることはできない。

マセドニオ・メローニ

熱電対や電流計を用いて熱放射が光と同様に屈折・反射・偏光する性質を持つことを発見 1831

ジェームズ・プレスコット・ジュール ジュールの法則 1842

発熱量は電流の自乗に比例する
\(Q=I^2Rt\)

ユリウス・ロベルト・フォン・マイヤー

エネルギー保存の法則 1842

マイヤーの関係式 1842

\(定圧熱容量C_p、定積熱容量C_v\)
\(C_p=C_v+RT\)

ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ 熱力学の第1法則 1847

\( \delta U=Q+W \)

ウィリアム・トムソン(ケルヴィン卿)

熱を根拠として地球の年齢を1億年と推定 1846

絶対温度目盛を導入 1848

ジュール=トムソン効果を発見 1852

高圧部から低圧部で多孔質の膜を通して断熱的に気体を移動させたときの温度変化は
気体によって上昇したり下降したりが観測された。
ジュール=トムソン効果は理想気体では起こらないため、原子の存在を後押しした。

キルヒホッフ

黒体放射 1859

精錬の現場では炉から発せられる光の色が、
炉に何が入っているかによらずに温度のみで決まっていることが経験的に知られていた。
この現象を説明するために黒体という全ての電磁波を吸収する黒体という概念を導入した。
炉の概念である十分大きな空洞内が熱平衡にあるときの放射と黒体の放射が一致することを示した。

黒体放射

ジェームズ・クラーク・マクスウェル

マクスウェル分布 1859

気体が小さな粒子から成るとしたときの、粒子の速度の分布が定常なときにどのようなものかを導出した。
後にボルツマンが理論を発展させる。

\( \displaystyle f(v)=Av^2e^{-bv^2} \)

マクスウェルの悪魔 1871

A、B、2つに区切られた部屋があり、A、Bをつなぐ扉は開閉できる。
動きの早い粒子がA→Bに通るとき、または動きの遅い粒子がB→Aを通るときのみに
扉を開ける悪魔が存在したなら、仕事をせずにBの部屋の温度を上げることができる。

マクスウェルの悪魔

この悪魔を葬り去るには100年以上の年月を有した。

ルドルフ・クラウジウス エントロピーの導入 1865

エントロピーの微小変化は準静的変化のときに入ってきた熱量で定義される。
\( \displaystyle dS=\frac{d’Q}{T} \)

エントロピー増大則

断熱系においてはエントロピーは減少しない。

電磁気学

アントワーヌ・セザール・ベクレル 圧電効果 1819

水晶に圧力を加えると、圧力に比例した表面電荷が現れる。

ビオ・サバールの法則 1820

\(微小電流Id\boldsymbol{l}によってr離れた位置に生じる微小磁場d\boldsymbol{H}は, \)
\( \displaystyle d\boldsymbol{H}=\frac{Id\boldsymbol{l}\times\boldsymbol{r}}{4\pi r^3} \)

アンドレ=マリ・アンペール アンペールの法則 1820

動線を流れる電流が作る電場の強さ\(H\)は電流の強さ\(I\)に比例し、距離に反比例する。
\( \displaystyle H=\frac{I}{2\pi r} \)

トーマス・ゼーベック ゼーベック効果 熱起電力 1821

異なる金属または半導体に温度差を設けると電圧が発生する。

ウィリアム・スタージャン 電磁石を発明 1823

鉄心に導線を巻き付け、電気を流すと磁石となる。

レオポルド・ノビーリ 電流計の発明 1825

ゲオルク・オーム オームの法則を発見 1825

\(V=IR\)
電気回路の電位差は流れる電流に比例する。

マイケル・ファラデー

ファラデーの電磁誘導の法則 1826

\( N巻きのコイルを貫く磁束が, \delta t間に\delta \Phiだけ変化するとき, コイルに発生する誘導起電力Vは, \)
\( \displaystyle V=-N\frac{\delta\Phi}{\delta t} \)

ジョセフ・ヘンリー 自己誘導の発見 1832

コイルに流れる電流を増減させた時、電流の変化を打ち消す向きに逆起電力が生じる。

ファラデーの電気分解の法則 1833

電気分解で発生する物質量は流れた電気量に比例する。
\( \displaystyle n=\frac{It}{zF} \)
\( n:物質量, I:電流, t:時間, z:イオンの価数, F:ファラデー定数 \)
後世の知見ではファラデー定数は電子1mol当たりの電気量である.

ハインリッヒ・レンツ レンツの法則 1833

誘導電流が発生する場合、電流の流れる方向は誘導電流の原因を妨げる方向と一致する

ガウスの発散定理

\( \displaystyle \int_V {\rm div}\boldsymbol{A}dV=\int_S\boldsymbol{A}\cdot d \boldsymbol{S} \)

ガウスの法則 1835

閉曲面内の電荷が作る電場の強さは電荷の量に比例する。
\( \displaystyle \oint_S E \cdot dS = \frac{Q}{\epsilon} \)

グスタフ・キルヒホフ キルヒホフの法則 1845

任意の接点において電流の総和は0である.
\( \sum_{i=1}^n I_i=0 \)
任意の閉路において電圧の総和は0である.
\( \sum_{i=1}^n V_i=0 \)

ジェームズ・クラーク・マクスウェル

マクスウェルの方程式 1864

\( \displaystyle \rm{rot}\boldsymbol{E}+\frac{\partial\boldsymbol{B}}{\partial t}=0 \)
\( \displaystyle \rm{rot}\boldsymbol{H}-\frac{\partial\boldsymbol{D}}{\partial t}=i \)
\( \displaystyle \rm{div}\boldsymbol{D}=\rho \)
\( \displaystyle \rm{div}\boldsymbol{B}=0 \)
それまで知られていた電磁気に関する法則を4つの式にまとめた。

世界初のカラー写真の撮影

光学・天文学・地学

ヨハン・ヴィルヘルム・リッター 紫外線の発見 1801

プリズムで分光した紫側の見えない領域にも化学的な作用があることから。

ジュゼッペ・ピアッツィ 初の小惑星:ケレスの発見 1801

トマス・ヤング

ヤングの実験(二重スリットによる光の干渉縞) 1805

二重スリットを使って干渉縞ができることを示し、
(粒子ならば干渉縞はできないため)光が波であることの証拠とされた。

弾性体の研究→ヤング率 1807

エティエンヌ・ルイ・マリュス 光の偏光の研究 マリュスの法則 1809

2枚の偏光板を角度\( \theta \)だけずらして重ねたときに透過する光の強度は\( \cos^2 \theta \)

ヨゼフ・フォン・フラウンホーファー フラウンホーファー線

太陽のスペクトルは完全に連続ではなく所々欠けた暗線があった。
ウイリアム・ウォラストンが1802年に発見 1814年にフラウンホーファーが研究して数百の暗線の波長をまとめた。
後に太陽表面に含まれる元素が特定の波長を吸収することで暗線となっていることが示される。

オーギュスタン・ジャン・フレネル

フレネル回折 1815

ヤングとともに光が横波であることを示す 1817

オルバースのパラドックス 1826

宇宙に恒星が無限遠まで一様に分布しているとすると宇宙はどの方向も星で満ちているはずだ。
→観測可能な宇宙の範囲は有限であるとすれば解決される

ゲオルク・アドルフ・エルマン 地球磁場の測定 1828

地球全土を探検して地磁気の値を計測した。

ガスパール=ギュスターヴ・コリオリ コリオリの力 1835

回転している座標系での運動で働く見かけの力。

コント 恒星の組成は永遠に人類に知られることはないと提言 1835

エンケ 土星のA環にエンケの間隙 1837

クリスチャン・ドップラー ドップラー効果 1842

波の周波数は波源と観測者が近づくときは高くなり、遠ざかる場合は低くなる。
\( \displaystyle f’=f\frac{V-v_0}{V-v_s} \)
ドップラー効果

列車にトランペット奏者を乗せて音程が変化するかを実測 1845

皆既日食の観測により、コロナとプロミネンスが月ではなく太陽に付随すると推測 1842

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセル

年周視差の観測

  • はくちょう座61番までの距離測定 1838
  • シリウスに伴星の存在を示唆 1841

天王星の摂動から海王星を発見 1846

ウィリアム・ラッセル 海王星の衛生:トリトンの発見 1846

トリトンは巨大衛星にしては逆行しており、やがて海王星に墜落すると考えられている。

エドゥアール・ロシュ ロシュ限界 1848

天体が他の天体に接近したとき、自己の重力よりも相手の天体からの潮汐力の方が大きくなると破壊される。

アルマン・フィゾー

  • 光のドップラー効果 1848
  • 回転歯車で光速度の測定 1849

フィゾーの光速度測定

歯車の回転数を上げていくと、回転歯車を通過して鏡で反射して戻ってきた時に歯車に遮られて暗くなる。
このときの回転数を鏡までの距離から光速を求めることができる。
31万km/sと現在の値とほぼ近い値が得られた。

  • フレネルの随伴係数の測定 1851

レオン・フーコー

  • フーコーの振り子 1851

振り子を長時間振動させていると、地球の自転による見かけの力によって、
振動方向が回転する現象。
地球が自転していることの証明でもある。

  • 光の速度が水中では遅くなる 1853

フォン・ヘルツホルム 太陽の寿命推測 1854

太陽が重力収縮によって輝くとすると2500万年しか持たない。

オールター 各元素はスペクトルによって確認されうる 1854

ウィリアム・ハギンズ 銀河と星雲でスペクトルに違いがあることを見出す 1856

星雲は水素輝線を伴う高温のガス体で、銀河は水素吸収線がある恒星の集合である。

水銀ポンプで真空度の高い真空が作れるようになる 1855

ガイスラー管 1857

高性能な真空ポンプで作られた真空に電圧をかけると気体放電が発生する。
管内に残っている気体の種類によって発光の色は異なる。

マクスウェル 土星の輪が小さな粒から成らなければならないことを証明 1857

水星の近日点移動 1859 ルベリエ(フランス・当時パリ天文台所長)が水星の正確な運動を発表

水星の近日点は1世紀あたり574秒角ずれる(観測結果)。
ニュートンの重力理論では、

  1. 金星の摂動で277秒角
  2. 木星の摂動で153秒角
  3. 地球の摂動で約90秒角
  4. その他の惑星の寄与が約10秒角

合計で531秒角が説明可能である。
しかし残りの約43秒角が説明できないことから、
水星軌道の内側に未知の天体ヴァルカンが存在すると提唱した。

キャリントン 太陽の自転が赤道より極の方が速い 1859

太陽が地球のように一体となって自転しているのではない。

キルヒホッフ

分光学で初の成果、セシウムを発見 1860

ブンゼンらと共に分光学を研究。
光を観測することで元素を発見することができた。

ナトリウムの暗線が太陽大気中に見られる 1861

遠く離れた太陽に存在する元素を光を観測することで見いだせる可能性。

アルヴァン・グラハム・クラーク シリウスBの発見 1862

シリウスがふらついているように観測されることから伴星を発見。

アンデルス・オングストローム

太陽大気中に水素のスペクトルを確認 1862

オーロラの光は太陽の光と異なるスペクトルをもつ 1867

1オングストローム=0.1ナノメートル

ハギンズ 分光器でドップラー効果によってシリウスは我々から遠ざかっている 1868

太陽とシリウスのスペクトル線が本来は同じだとすれば、ずれている分は光のドップラー効果による影響である。
したがってスペクトルを調べれば地球との相対速度がわかる。

ピエール・ジャンサン、ノーマン・ロッキャー 太陽光からヘリウムのスペクトル線を発見 1868

初めて地球以外で発見された元素となった。後にヘリウムは天然ガスから分離される。

生物・医学・古生物

ド・ソシュール 植物は窒素を要する 1804

植物が空気中から二酸化炭素を地中から窒素を必要とすることを示す。

ギデオン・マンテル イグアノドンの歯の化石の発見 1820

イグアナの歯に似ているが推定体長18mにもなる生物の歯の化石を発見。
恐竜の魁。

ブラウン ブラウン運動 1827

水に浮かんだ花粉を観察するとランダムに運動しているように見える。
後にチョークの粉など無生物でもこの現象を発見する。

細胞核を発見 1831

植物細胞中に黒ずんだ小さなものがあることを発見し、核と命名した。

化石魚類の研究 1833

ブサンゴー 植物が土壌中の硝酸塩から窒素を得ていることを示す 1840

植物のクロロフィルの部分のみが二酸化炭素を酸素にする。しかも光が当たっているときのみ 1837

シュヴァン 酵母が微小生物であることを示す 1838

センメルヴェイス・イグナーツ 伝染病が手洗いで軽減されることを発見も認められず 1847

採掘された硝酸カリウムを肥料として使う 1852

植物に必要であると明らかにされた窒素とカリウムを同時に供給できる人工肥料である。
当時はまだ効率的な硝酸の製造法がなかったとはいえ、農業生産の大幅な向上に寄与した。

コレラ菌の発見 1854

パスツール 発酵が酵母によるものであることを報告 1856

チャールズ・ダーウィン 種の起源 1859

生物は常に環境に適応するように変化し、種の分岐と自然選択によって進化が起こる。

ルイ・パスツール 自然発生説の否定 1861

白鳥の首フラスコ

1. フラスコ内に有機物溶液を入れる。
2. フラスコの口を加熱して長く伸ばし、下方に湾曲させた口を作る。
3. フラスコを加熱し、細い口からしばらく蒸気が噴き出すようにする。
4. この白鳥の首フラスコをしばらく放置しても微生物の増殖は見られなかった。
5. このフラスコの首を折る、あるいは無菌の有機物溶液を微生物をトラップさせた首の部分に浸し、それをフラスコ内に戻すと微生物の増殖がみられる。

グレゴール・ヨハン・メンデル 遺伝の法則を発表 1865

1. 必ず背の高くなるエンドウの種子を育てて咲いた花のめしべに、必ず背の低くなるエンドウの種子の花粉を受粉させた。
また、逆に背の低いものの花のめしべに、高いものの花粉を受粉させた。そして収穫された種子を蒔くと、すべての背が高くなった。
2. このエンドウを自家受粉させて得られた種子を、さらに翌年蒔いた。すると、背の高いものが3、背の低いものが1の割合になった。

植物のクロロフィルが葉緑体という小器官のみに存在し、二酸化炭素を水と酸素を放出しながらデンプンに変える 1865

産業・一般科学

アルブレヒト・ダニエル・テーア 輪栽式農業 1804

蒸気機関車のデモンストレーション 1804

蒸気機関車で10tの鉄を輸送。

デーヴィ アーク灯 1808

炭素の電極二つの間に電圧をかけたとき起こる放電による光を用いた電灯。
初の照明として電力が豊富に生産されるようになると街に導入されたが、
火花が出て危ないうえに眩しいという欠点があった。

南極大陸の発見 1820

単に人類が上陸したという意味ではなく、
世界地図を作るような地球全体の地理の知識を持った文明が、
南米大陸よりも南に大きな陸塊があることを発見したという意味。

マッキントッシュ繊維 1823

サイロの発明 1823頃

冬の間に干草を腐らせずに蓄えておく建物。
輪栽式農業で家畜用の飼料の生産も増えたため、
冬期に家畜を屠殺せずに済むようになった。

定期的な旅客蒸気機関車 1825

マッチの発明 1827

摩擦マッチ→黄燐マッチ 1931→安全マッチ 1855

電信機の発明・モールス符号 1837

ピエール・ヴァンツェル 角の三等分の作図が不可能であることを示す 1837

ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール 写真の発明 1839

チャールズ・グッドイヤー ゴムの加硫 1839

ゴムに硫黄を加えると弾性が増す

アンリ・ナビエ、ジョージ・ガブリエル・ストークス ナビエ-ストークス方程式 1845

流体の運動を記述する方程式で簡易化されたものでも解くのは難しく、懸賞金がかけられている。

大西洋横断電信ケーブル 1858

スエズ運河の建設1859-1869

ヨーロッパからアジアへの航路が短縮された。

初めての石油ボーリング 1859

アルミニウムの精錬方法が進化し、1/100ほどの価格になる 1860頃

動力に内燃機関を使う自動車 1860

アントニオ・パチノッティ 直流発電機の発明 1865

アルフレッド・ノーベル ダイナマイト 1867

ニトログリセリンはすぐに爆発する危険な物質であったが、
珪藻土に染み込ませることで保存時の安全性が確保され、
高性能な爆薬として特許を取得したノーベルは巨万の富を得た。

ジョン・ティンダル チンダル現象の発見 1869

コロイド中に光を通すと散乱によって通り道が見える