[京のおばんざい] 白菜と油揚げの炊いたん

炊いたん

京都人として20年ほどいますと、京都っぽいお惣菜をよく作ります。
炊いたんとは野菜などを出汁と味醂醤油で煮込んだもの。

白菜、キャベツ、小松菜など葉物野菜をよく使います。

油揚げが主役なので、ちょっといい油揚げで決めている。
大原で作られている上田の手あげ

まず出汁を引きます。
水に昆布を一切れ入れ、かつおぶしをひとつかみ。
料理を作ることにおいて出汁を取る手間は全体の僅かにすぎないから
「昆布とかつおぶしで出汁を取る手間は大したことない理論」です。
この部分を粉末出汁を使ったところでほとんど全体の手間削減には至りません
日本の出汁を一から取るのはとんでもなく凄いことだという幻想をぶち壊せ!

日本酒とみりんを入れます。
日本酒は酒の有機酸による旨味。
みりんは発酵の糖類による甘みが強いです。
味の好みにより大さじ1~2程度が目安。
料理通なら日本酒は「酒税回避目的で食塩などが添加されていないもの」が最低線。
食塩は味の浸透を妨げるので料理下手要素になり得ます。
醸造用アルコールを使用していないかどうかの拘りはご自由にどうぞ。
上等なみりんを使いたいなら御三家といってもいい「三河みりん」「九重櫻」「福来純」がおすすめ。

塩分を一番最後に入れるのが野菜の煮物の基本。
ある程度食材が柔らかくなってから醤油を入れる。
醤油の量は小さじ1が目安です。
実は適切に出汁が引かれていれば塩分量は僅かでも美味しいです。
醤油数滴でも減塩+美味しい=最高です。

こういった余り物の野菜などでさっと作れるおばんざいで
2日分程度持たせるというのが日々の日常でございます。